世界一面白いかもしれない?歴史教室

歴史好きの大学生の独り言です(≧▽≦)

第1回 ご挨拶&疫病史①「日本の国民病」

みなさん初めまして!ヒロと申します。歴史好きな平凡大学生です!

今回、歴史について色々書いてみたいなという欲求が高ぶってしまいましたので、

ブログ作っちゃいました!

題して「世界一面白いかもしれない?歴史教室」です!いろいろと面白い事を書けたらなぁ、と思っています!

ブログ初心者ですが、頑張って書いてみます!

 

 

①コロナと疫病史

昨今、世界を騒がせているのは新型コロナウイルスでしょう。強力な感染力と時に重症化することもある毒性は世界を震撼させました。

また新型コロナの流行で不思議な現象が起こっているのです。それはフランスの作家、アルベール・カミュ作の『ペスト』が注目を集め、ベストセラーになったということです。日本だけでなく欧米の人々も、この小説に注目しており、世界的に話題となっております。

人類の歴史は疫病=感染症の歴史でもあります。時には一つの感染症が歴史を変えてしまうことも。

こんなご時世ですので、最初は疫病の歴史からお話していこうと思います。

 

②日本の国民病

現在、日本における死因トップ3は悪性腫瘍=がん、心疾患、老衰だそうです。

(出典:厚生労働省による令和元年の統計)

www.mhlw.go.jp

しかし、戦後まで日本を恐怖させ、多くの人々を死に追いやった病は悪性腫瘍ではありませんでした。

その病の名は「労咳」、すなわち結核です。

この病に斃れた人々は数知れず、中には日本の歴史を動かした偉人も含まれているのです。

 

結核の歴史

結核という病気は人類の黎明期から存在していたようです。縄文時代の人骨から結核の痕跡が見つかるなど、人類を早くから苦しめてきたわけですね。

なお平安時代、古典の最高傑作といわれる源氏物語ですが、ヒロインの紫の上結核と同様の症状に悩まされたと描写されております。

時代は下って、近代日本。著名な文学者、正岡子規の「子規」という名前は、ホトトギスという鳥を表しており、この鳥のクチバシは真っ赤なのですが、それは血を吐いたからだという逸話があるのです。血を吐く=喀血は結核の主要な症状です。正岡は己の境遇をホトトギスと重ね合わせたのでしょう。

当時の結核は不治の病にして死病です。また肺を蝕まれ、どんどんと衰弱していく様は、一種のはかなさにも映ったようで、文学のネタにもされがちです。よくあるじゃないですか。病弱キャラが血を吐くシーン(北斗の拳のトキとか)。あれはまさにこの病から来ているんですね。

また近代は、工業化が進んだ時代でした。当時の工場に衛生観念なんてものがあるはずもなく、瞬く間に工場の労働者を中心に結核が蔓延しました。この辺のお話は、昭和の作家、山本茂美の代表作『あゝ野麦峠』でも描かれてますね。近代以降、人の移動も活発になり、工場で蔓延した結核は容易に拡散されたと言われています。この辺は現代の新型コロナも同じでしょう。グローバル社会は、疫病に関して言えば、非常に脆い社会と言えるのかもしれません。

 

結核って何なの?

結核結核菌(マイコバクテリウム・ツベルクローシス)によって引き起こされる病です。この菌はゆっくりと、しかし確実に罹患者の肺を蝕みます。さらに恐ろしいことに、結核菌は全身にも広がります。これが進むと、脊椎や歯が蝕まれ、カリエスという状態になります。

罹患者は青白い肌になり衰弱死するので、通称「白いペスト」と呼ばれています。(ペストについても後日お話します)

この病で死去した有名人はこのような人々です。

高杉晋作沖田総司樋口一葉中原中也正岡子規陸奥宗光滝廉太郎など。海外では、ショパンジョージ・オーウェルチェーホフなど。

まあ数えきれないほどです。各人の業績などは各々グーグル先生に聞いてみてください。

いずれにせよ、日本のみならず、世界の歴史にも重要な意義を持つのが結核と言えそうです。上の有名人たちがもし結核に罹らなかったら、歴史はもしかしたら変わっていたかもしれません。(歴史にifは禁物ですが)

 

結核vs人類、そして現代

人類もただ黙ってやられていたわけではありません。近代の急速な科学の進化と共に、遂に結核菌を特定しました。そして人類史に残る大発明、抗生物質の誕生です!とはいえ、最初の抗生物質ペニシリン結核には効きませんでした……。

結核を打ち破る抗生物質が作られたのは第二次世界大戦が終わる直前でした。アメリカで見つかった抗生物質ストレプトマイシンは見事に結核を打ち破り、この抗生物質の発見は後世の抗生物質に大きな影響を与えました。

戦後間もない日本にも輸入され、その時のキャッチコピーは「結核の38度線」というものです。38度線というのは、朝鮮半島北朝鮮と韓国を隔てるラインのこと。日本は韓国と同じくアメリカ側、資本主義サイドについていたので、北朝鮮ソ連(現・ロシア)などの社会主義勢力に対する最終防衛ラインということでこのキャッチコピーが付けられたのでしょう。

医者からは「ストマイ」と言われ、多くの人を救った「結核の38度線」。しかし近年、この防衛ラインが突破されつつあるのです。耐性菌の出現です。

抗生物質は確かに便利です。細菌をいともたやすく殺菌し、病を根本的に治す。しかし忘れてはいないでしょうか。細菌もまた生物。己の生存のために進化しうる存在だという事を。

現在でも安易に抗生物質を服用する人がいますが、気を付けなければいけません。安易にそれに頼ると、自らの首を絞めることに繋がりかねないのですから。

また結核は現在は治る病となり、現代に生きている人からすれば、「結核?昔の話でしょ」と思うかもしれません。確かに結核は格段とかつてと比べ減少し、今や身近で感染した人なんて見つからないかもしれません。しかし未だ結核は日本から根絶されたわけではなく、今でも散発的に感染者が発生しています。咳があまりに長引くようでしたら気を付けた方がいいかもしれません。

 

参考文献